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つくるコト、一緒に、楽しく。

MAGAZINE

ワイン食堂Cor.のリノベーションストーリー

中目黒の小さなリノベーション会社、coto。

最近cotoには、店舗を新しく構えたい方からのご相談がふえています。

お店を構えるとき、オーナーさんはいろいろな思いや夢をお持ちです。

そんな熱い想いを共有しながら、一緒になってリノベーションで夢を叶えていく…

とても素敵なお仕事だとつくづく感じます。

 

地元で愛される「ワイン食堂 Cor.(コル)」

cotoがはじめてリノベーションを手掛けた店舗は、

相模原市中央区、淵野辺駅から少し歩いたところにある「ワイン食堂 Cor.」。

葡萄の壁画が印象的な、地元に愛されて賑わう小さなレストランです。

何を食べても美味しい料理と、食堂のような気軽な雰囲気。

ワインの説明をシェフが丁寧にしてくれるきめ細やかなサービス。

オープンから1年経った今、いつも予約で満席のお店です!

「ワイン食堂 Cor.」のオーナーシェフ小林さんとcotoは、

建物の持ち主であるレタス不動産の神谷さんとのつながりで出会いました。

Cor.オープンまでの道のりには、様々なストーリーがありました…。

 

物件との出会い

相模原市出身の小林さん。地元でお店を開くのが夢だった若きオーナーシェフが

その第一歩として出会ったのは、古い中華料理店の居抜きの建物でした。

1階にはカウンターと調理場、2階には和室が二間。

2階の床はなんだか斜めになっていて、ビー玉がコロコロ転がります。

さらに、前の通りをトラックが通るだけで建物がガタガタと揺れていました。

小林さんは「この建物、大丈夫なのかな・・・?」と不安でいっぱいだったそうです。

cotoにとっても、店舗物件のリノベーションは初めての経験。

中華料理店の建物は、およそ築40年。

耐震や屋根の吹き替え、断熱、設備の交換に階段のかけかえなど、全面的なリノベーションが必要。

さらに雨漏りまで見つかり、小林さんの希望予算でどのようにリノベーションするか、

さすがのcotoスタッフも頭を悩ませました。

それでも小林さんの人柄と熱い想いに触れたスタッフは、

『小林さんと一緒に悩みながら、お店を作り上げていくのも面白い!』と

リノベーション計画をスタートすることにしました。

 

吹き抜けのある小さな食堂

リノベーションプランをつくるにあたり、

cotoはひとつこだわりの提案を盛り込みました。

それは、お店に足を踏み入れたときの「吹き抜け空間」。

小林さんのワイン食堂のイメージには、吹き抜けが良く似合います。

音や料理のいい香り、食事を楽しむ人たちの賑やかな声。

吹き抜けに面する窓からは、昼間は明るい日差しが入り、夜は淵野辺の街が見えます。

そんな風景を思い描き、リノベーションのお打合せを進めていきました。

飲食店の収支は席数にも大きく左右されるため、

吹き抜けを小さくして席数を増やすことも何度も検討しましたが、

この空間がお店を心地よくすると信じてcotoと小林さんは計画を進めていきました。

工事の中盤で2階の床を取り払ったときに、吹き抜けの開放感がはっきりとわかり、スタッフも一安心。

全員が納得の、心地よい吹き抜け空間が生まれたのでした。

 

DIYでリノベーション費用と戦う!

お店を新しく構えるには、たくさんのお金がかかります。

リノベーション費用のほかにも、調理器具や空調などの設備費、人件費、広告費、食材費など…

その資金計画にはオーナーの人生がかかっています。

小林さんとcotoは、リノベーション費用をできるだけ抑えるためにDIYを取り入れることにしました。

DIYとは、Do It Yourselfの略。

施主である小林さんが自らリノベーションをする選択肢です。

これまで日曜大工の経験もなかった小林さんでしたが、

DIY経験豊富なレタス不動産 神谷さんの後押しもあり、

施工管理さんや職人さんに教えてもらいながら、

実はDIY好きが多いcotoスタッフと一緒になってチャレンジを決断!

プロでなければ難しい電気・大工・設備・屋根の工事は職人さんへ依頼し、

それ以外の内装や塗装は全てDIYでの店舗リノベーションがはじまりました。

 

お店の“素敵”は現場でつくられる!

工事が始まり、小林さんは毎日のように現場に足を運びました。

夏場のリノベーション現場は過酷そのもの。

cotoスタッフも都度足を運び、現場のお手伝いをしていましたが、

小林さんがお店へかける情熱には敵いません。

スタッフが現場へ行くたびに、小林さんによるDIYは想像以上に進んでいてびっくり!という状況でした。

連日の作業で少し痩せたように見える小林さんを心配しつつ、

予期せぬ現場の変化に驚かされることもしばしば。

Cor.のトイレの壁は、お店の壁とは少し色が違うのですが

実は、材料が足らず買ってきた塗料の色が違ったのが原因だったとか!

こんな風に、予期せぬハプニングが素敵な現場をつくっていくのも

DIYリノベーションならではの魅力です。

レタス不動産の神谷さんが突然持ってきてくれた建具がつけられていたり、

照明の位置が少し計画と変わっていたり、エントランスにレンガが貼られていたり、

なんと葡萄を植える花壇までできている!など…

「オーナーの小林さんが現場にいることで、

お店が計画当初よりもさらに “素敵”に、変わっていくように感じられた」

と、cotoスタッフは語ります。

 

Cor.こだわりの内装

Cor.では、既存のものをうまく利用しながらリノベーションをして費用を抑えています。

キッチンカウンターは、中華料理店のカウンターの上に材料をかぶせて作りました。

2階の床は安価な合板を、フローリングのように割いて敷いています。

営業が始まり使い込んでいくうちに、なんと古材のように変化!

独特の味わいが出ました。

 

建築当時の手仕事の跡が残る梁や、耐震工事を施した際の金物もそのまま見せ、

リノベーション店舗ならではの景色をつくりだしています。

そして最後にお店を彩るインテリアは、小林さんがひとつひとつ選んだもの。

どこか懐かしい建物の雰囲気とぴったりの素敵な飾りつけです。

 

cotoスタッフも総動員!お店の佇まいを作る外壁塗り

お店の一番の顔となる外壁工事は、cotoスタッフ総動員で小林さんとDIYをしました。

みんなで足場に登り、白い外壁塗料を塗っていきます。

外壁塗装の作業には、1週間ほどかかりましたが、

完成する頃にはスタッフも小林さんと一丸になってお店を作り上げた達成感でいっぱいに。

外壁塗装後には、ワイン食堂らしい葡萄の壁画もあしらわれました。

窓枠は黒く塗装し、外側に花台をつけました。看板も店名を変えて再利用。

元の中華料理店の姿からは想像できない佇まいのお店になりました。

自身も現場で作業をしていくにつれ、お店にとても愛着が湧いてきたオーナーの小林さん。

オープン直前は、残りの現場作業に加えて仕込みもあり、信じられない程忙しく大変な状態に!

それさえも、オープン後にお客さんにお話しできるお店作りのストーリーのひとつになったと振り返ります。

 

たくさんのストーリーが生まれた現場は、愛される「心」ある建物に

「ワイン食堂 Cor.」の名まえは、ラテン語で「心」という意味。

覚えやすい、短い言葉にしたいという思いで名づけられました。

ワインの「コルク」や「こだわり」といった意味も込められています。

少しcotoとも似た名前になったのは嬉しい偶然です。

 

「古い中華料理店がどんな風に変わるのかしら…」と楽しみにしていたご近所の方もいたそうで、

今ではたくさんのお客様がCor.に訪れます。

小林さんのリノベーション話を聞き、お店のリノベーションを依頼してくださる方も!

DIYリノベーションで生まれた落ち着いた佇まいのお店は、

その名の通り、オーナーの情熱が詰まった「心」ある建物に生まれ変わりました。

ワイン食堂cor.(http://www.cor-vin.com/)

プロデュース 
株式会社カブトス(http://kabutos.jp/)及びレタス不動産(http://retous.jp/)